レンズレビュー SONY SEL90M28G
項目 | 5点評価 | 短評 |
デザイン | 3 | 段々になっているのがちょっと |
サイズ | 2 | 90mmにしてはでかくて重い |
描写 | 5 | 文句のつけようが無い |
ボケ | 5 | 本当に美しい |
AF | 2 | 速くはないし、MFクラッチも使いづらい |
手振れ補正 | 4 | 良好。手持ちのマクロも可 |
コスパ | 3 | 描写の面だけなら突き抜けている |
おススメの人
とにかく描写力を求める人
おススメじゃない人
街を歩きながらスナップを撮りたいという人
仕様
名称 | FE 90mm F2.8 Macro G OSS | |
---|---|---|
型名 | SEL90M28G | |
レンズマウント | ソニー Eマウント | |
対応撮像画面サイズ | ●35mmフルサイズ | |
焦点距離(mm) | 90 | |
焦点距離イメージ(mm) *1 | 135 | |
レンズ構成 (群-枚) | 11-15 | |
画角 (APS-C) *1 | 17° | |
画角 (35mm判) | 27° | |
開放絞り (F値) | 2.8 | |
最小絞り (F値) | 22 | |
絞り羽根 (枚) | 9 | |
円形絞り | ○ | |
最短撮影距離 (m) | 0.28 | |
最大撮影倍率 (倍) | 1.0 | |
フィルター径 (mm) | 62 | |
ADI調光対応 | – | |
手ブレ補正 | レンズ内手ブレ補正方式 | |
手ブレ補正段数 | – | |
テレコンバーター (1.4x) | – | |
テレコンバーター (2.0x) | – | |
フードタイプ | 丸形バヨネット式 | |
外形寸法 最大径x長さ (mm) | 79 x 130.5 | |
質量 約 (g) | 602 |
レビュー
SONYフルサイズEマウント用中望遠マクロレンズ「SEL90M28G」
等倍撮影可能な焦点距離90mmのマクロレンズです。
本体サイズと重量、そして値段を見るとちょっと躊躇しそうなこのレンズ。
使ってみると「さすがGレンズ」となってしまう実力を秘めています。
個人的には必須の一本と思っているので、レビュー。
外観
全長130.5mm、最大径79mm、重さ602g。
ちょっと大きめで、重さもそれなりにあって、気楽に扱うのはちょっと難しいです。
実際にα7IIに装着して撮影していたところ、指が痛くなった経験があります。
α7IIに追加のグリップを装着したらかなり持ちやすくなりました。
レンズのフォールディングは良いので、ちゃんと両手で持って撮影すれば、普通に扱うことはできます。
当たり前ですが、片手で撮影はほぼ不可能です。
造りに関しては、スイッチ以外はすべて金属製でとてもしっかりしています。
防塵防滴に配慮した設計となっているので、少々の雨風なら大丈夫かと思われます。
重いけど信頼出来る外観になっています。
フィルター径は62mm。
フードはプラスチック製で必要十分です。
描写
買う前は「この重さはちょっとな……」とマイナスに思えていましたが、実際に使ってみると卓越した描写性能に驚いて、重さの事なんか吹き飛びます。
まずは何といっても解像力。
開放から発揮しています。
絞ればさらにキレますが、フォーカス部の解像力だけならば、絞りはほぼ関係ないように思えます。
もちろん周辺まで奇麗に描写してくれます。
文句なしですね。
それでいてボケが非常に美しい。
とにかく大きくボケるというわけではなく、上品にやわらかにボケます。
そこにわざとらしさはありません。

この解像力とボケ、両立しているから凄い。
「Gレンズって凄い」と思わせてくれるし、レンズのサイズと重さも納得してしまいます。
逆光もほぼ問題なしです。
ソニー独自のナノARコーティングで反射率を抑えているとのこと。
逆光でもコントラストが低下することは無いです。
そして当たり前ですが、マクロレンズとしても超優秀です。
最短撮影距離は0.28m。
最大撮影倍率は1.0。


被写界深度は浅さだけ注意すれば、あとは「これでもかっ」というくらい写してくれます。
「味」というよりは被写体をできる限り緻密に写しだそうとするレンズです。
機能
AFの速度は普通。
マクロレンズなので、速くはないですね。
迷うこともしばしば。
フォーカスレンジの切り替えスイッチは「0.28m-0.5m」「0.5m-∞」「FULL」の三つあります。
精度に関しては良好です。
注目の機能として「リングスライドスイッチ」があります。
これはフォーカスリングを前後させるだけで、AFとMFの切り替えが可能という機能です。
一見とても便利機能のように思えますが、肝心のMF時のリングの回し心地がちょっと残念です。
微調整がやりにくいんですね。
変な重さになっているので、「あとちょっと」と思ってリングを回すと、思っていたより回ってしまうことが多くあります。
0.1動かしたくても0.5単位で動いてしまう感覚です。
回避策として、フォーカスリングのすべり止め部分を持って回そうとせず、本体鏡筒とリングの文字の部分を跨ぐように握って回せば微調整は可能ですが、この辺はちょっと厄介ですね。
マクロ撮影時にMF操作が必須という方にはちょっと苦痛になるかもしれません。
手振れ補正機能もあります。
効き目は良く、手持ちのマクロ撮影も可能です。
あとはフォーカスフォールドボタンがあります。
デフォルトの設定では、これを押している間はフォーカスがロックされます。
これは本体の設定でファンクションボタンと同じように他の機能が割り当てられます。
結論
このレンズの魅力は、なんといっても描写にあります。
でかいし重いし、機能面もちょっと不満なところはあるけど、出てくる写真を見るとそんな些細なことはどうでもよくなります。
特に緻密さとボケの両立は素晴らしいです。
そこに一切の妥協は感じられない描写性能です。
マクロレンズですが、マクロの領域にはとどまりません。
これはぜひ、中望遠レンズとして外に持ち出してみると面白いです。
もちろんマクロレンズとしても超優秀。
私は手放すつもりはないですし、もし壊れたらもう一本買うつもりです。
フルサイズEマウントでは必須の一本です。
以下の写真はRAWデータをLightRoomでカメラプロファイル標準、露出を少し補正、シャープネスを60、レンズプロファイルを加えたものです。
カメラはα7II








ここからはα6500




