Panasonic LX100M2 レビュー
パナソニックのコンパクトデジタルカメラ「LX100M2」です。
呼び名が「LX100II」だったり「LX100MarkII」だったりして統一されていない感じの高級コンデジの部類に属するカメラ。
ある程度使ったので、自分なりのレビューをします。
開封
付属品
- 本体
- バッテリーパック
- ACアダプター(USBタイプ)
- USB接続ケーブル
- ホットシューカバー
- レンズキャップ
- レンズキャップひも
- ショルダーストラップ
- 取扱説明書
フラッシュは付属していません。
本体に内蔵もされていないので、フラッシュを使いたい人は別途購入が必要になります。
本体の外観
本体重量はバッテリとメモリーカードを含んで392g。
基本的にしっかりした造りになっています。
絞りリングは1/3段。
コントロールリングは滑らか。
シャッターボタンは半押しでもハッキリとしたクリック感があります。
SSダイヤルは1段の設定。
背面のコントロールダイヤルとの併用で1/3段の設定が可能。
4000からTへ回すことが可能。
物理のファンクションボタンは5つ。
底面のネジ穴は光軸上にはありません。
背面のモニタは固定式。
3:2の124万ドットでタッチパネルに対応。
メニュー画面でもタッチ操作が可能。
EVFファインダーは16:9の276万ドット、倍率は0.7倍。
これも可動はしません。
横にアイセンサーと視度調整ダイヤルがあります。
本体右にある端子はHDMIと充電用のmicroUSB。
マイクとヘッドフォンの端子はありません。
レンズはLEICA VARIO-SUMMILUX。
焦点距離は35mm換算で24-75mm。
フィルター径はφ43mm。
絞りは9枚羽虹彩絞り、最小F値はF1.7 – 2.8、最大F値は16。
主な焦点距離の最小F値は
- 24mmでF1.7
- 28mmでF2.0
- 35mmでF2.3
- 50mmでF2.7
- 70mm以上でF2.8
になります。
ズーム時のレンズの伸び具合は
こんな感じです。
外観のまとめ
造りの全体的な感想として、とてもよくできていると思います。
前面と背面のグリップのおかげてホールディングは良いし、各ダイヤルやボタンもしっかりとした感触なので、違和感なく使えます。
難点は電源スイッチ。
ONにはしやすいけど、とにかくOFFがやりにくい。
爪で上手くひっかけないとOFFにできない。
そのうえ、横にあるiAボタンを押してしまう事もある。
OFFにしようとしてiAボタンを押してしまって、そのまま気付かずにOFF、次にONにした時にiAモードになっていることに気付かずに撮影、なんてこともあります。
指が太い人にはちょっと辛いかもしれません。
細かい点では、カメラを構えると意図せずコントロールリングを動かしてしまうことがたまにあります。
あと、ここまでマニュアルカメラっぽくしたならISOダイヤルがあっても良かったかな。
まあ、これらは慣れてしまえばどうとでもなる問題で、外観に関しての致命的な難点はありません。
機能
AF
AFはとても速く正確です。
静止物を撮るなら何も問題無し。
最短撮影距離は通常のAFで50cm。
AFマクロ、 MF、 インテリジェントオート 、 動画だと最短撮影距離は広角端は3cm、望遠端は 30cmになります。
AFとAFマクロ、MFはAF切り替えスイッチで瞬時に変更可能です。
ですがAFとAFマクロの違いはほとんど感じないので、常時AFマクロでもOKです。
動体撮影の場合は、AFCと追尾フォーカスの組み合わせで結構追いかけてくれます。
ただ、ファインダーが動体撮影向きではないので実際は難しいかもしれません。
顔認識と瞳AFはTV相手に試してみた限りでは、普通に使えそうです。
マルチアスペクト
注目の機能であるマルチアスペクト。
4:3、3:2、16:9のうち、どの比率を選んでもトリミングにならないという優れもの。
- 4:3は4736×3552の約1700万画素
- 3:2は4928×3288の約1600万画素
- 16:9は5152×2904の約1500万画素
トリミングではないので画素数に大きな差はありません。
3種類のアスペクト比をよく切り替える人にはうってつけの機能ですが、例えば3:2だけで撮る場合は、意味がないかもしれません。
それから1:1だけは3552×3552の約1250万画素で、4:3のトリミングになります。
シャッター
シャッターはメカシャッターと電子シャッターが搭載されています。
- 60-1/4000秒(メカシャッター)
- 1-1/16000秒(電子シャッター)
連写はメカ、電子ともに
- AFSで約11コマ/秒
- AFCで約5.5コマ/秒
不満は無しです。
手振れ補正
光学式の手振れ補正も搭載されています。
効き目は上々。
しかし、手振れ補正をONにすると本体から常に若干の音がします。
どうやら常に手振れ補正が動いているようで、例えば半押しとレリーズ時だけ補正を有効にするとかの設定はできません。
とは言え、小さな音なので、よほど静寂な環境で使わない限りは気にすることはないと思います。
もちろんOFFにもできます。
通常の補正に加えて流し撮りモードもアリ。
4K
動画は4Kの撮影ができるようですが、試していません。
ただ、画角がクロップされるようです。
それからマイク端子、ヘッドフォン端子はないので、動画撮影は向いていないように思えます。
4K機能を利用した4Kフォトも有ります。
4Kフォトによるフォーカス合成は注目していたのですが、結構なクセがあります。
気になる方はフォーカス合成の記事を参照してください。
結果、あまり使えないかな、といった印象です。
タッチパネルモニタ
タッチで様々な操作が可能。
もちろん、AFポイントも動かせるし、タッチシャッターも可能。
さらに、ファインダーでの撮影時もタッチパネルでフォーカスのポイントを動かすことが可能。
タッチに対する反応も良いので、とても使いやすいです。
フィルター設定やFnボタンの6から10もタッチ操作で使うことが出来ます。
ただ、モニタ自体は固定式なのでローアングルの撮影や自撮りなんかはできません。
電源
バッテリは半日は持ちます。
2時間から3時間のスナップ程度なら、予備は絶対にいりません。
1日以上の撮影なら予備は必要。
電源を入れてから撮影可能になるまで1から2秒ほどかかります。
速くはないですね。
機能面のまとめ
機能面の全体的な感想としては、はやり静止画撮影向きかな、という事ですね。
4Kは撮れるけど、マイク端子は無い、モニタも固定式で自撮りが出来ない、といった理由で動画撮影には向かないです。
AF性能はとても良く、動体にも食いついてくれますが、ファインダーが追い付いていないので動きものにも向いていない。
電源投入後の起動も早くはないし、カスタムセットした登録もメニュー画面からじゃないと呼び出せないので、急いで撮るには向かないです。
というわけで、静止物のスチルに向いていると思えます。
それから別売りの自動開閉キャップがあると便利です。
別売りなので追加の費用が必要ですが、一度この便利さを味わうと手放せなくなります。
ただし、レンズプロテクターを付けられなくなるので、プロテクターを使用したい場合は注意が必要です。
写り
コンデジにしては大きいセンサーだけに、良いです。
発色はきれいだし、ダイナミックレンジもなかなかのもの。
ボケもGOODです。
ISO感度は1600なら普通にOK。
3200でも等倍で見なければ大体がOK。
6400でうーん……となります。
コンデジでは立派な高感度性能だと思います。
周辺減光は隅のさらに隅にわずかに出るといった感じ。
個人的には気になりません。
あと、逆光には弱く、ゴーストが発生しやすい。
それから結構寄れるので、植物を撮るのには向いていると思えます。
写りのまとめ
写りの全体的な感想としては、満足です。
あえて欠点を挙げるなら、隅がちょっと甘くなるくらいですが、全然気にならないレベル。
静止物なら何を撮ってもOK。
人物だけは試せていないので判りませんが、まあ、瞳AFを載せているくらいだし、大丈夫でしょう。
逆光にだけ注意すれば、自由に撮ることが出来ます。
感想
用途に合うなら良いカメラと思います。
絞りリングもSSダイヤルも、好きな人にとっては面白いが、いらない人には邪魔なだけ。
液晶は可動しないうえ、ファインダーも動きものには向いていない。
動画得意な印象のパナソニックなのに、動画にも向いていない。
しかし明るいズームレンズとマルチアスペクト、そして被写体を選ばない写り。
前面と背面のグリップのおかげで持ちやすく、重量もそこまで重くない。
こういった長所と短所をどう見るか。
ハッキリ言って、オートで気楽に写真や動画を撮りたい人にはおススメできません。
マニュアル撮影に興味のない人にもおススメできない。
しかし便利過ぎないという点に関しては、人によっては使っていて楽しくなるポイントでもあります。
- 比較的軽量で静止画スチルの写りが良いコンパクトデジタルカメラ
- クラシカルな操作感
- 明るいズームレンズ
- マルチアスペクト
- 静止物を撮るのが好き
これらの条件に合うカメラを探している人にはうってつけのカメラでしょう。