レンズレビュー TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD
項目 | 5点評価 | 短評 |
デザイン | 5 | シンプルで持ちやすい |
サイズ | 3 | 普通 |
描写 | 4 | 上々だが開放は緩め |
ボケ | 3 | 単焦点レンズにはかなわない |
AF | 4 | 静粛で高速、カメラのAF機能にも対応 |
手振れ補正 | 0 | ありません |
コスパ | 5 | とにかく優れています |
おススメの人
Eマウントで標準ズームが欲しいけどGMには手が出しにくい人
おススメじゃない人
最高の一枚を求める人には不足かも
仕様
モデル名 | A036 |
---|---|
焦点距離 | 28-75mm |
明るさ | F/2.8 |
画角(対角画角) | 75°23′-32°11′ <35mmフルサイズミラーレス一眼カメラ使用時> 52°58′-21°05′ <APS-C サイズ相当ミラーレス一眼カメラ使用時> |
レンズ構成 | 12群15枚 |
最短撮影距離 | 0.19m (WIDE) / 0.39m (TELE) |
最大撮影倍率 | 1:2.9 (WIDE) / 1:4 (TELE) |
フィルター径 | Φ67mm |
最大径 | Φ73mm |
長さ* | 117.8mm |
質量 | 550g |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り)** |
最小絞り | F/22 |
標準付属品 | 花型フード、レンズキャップ |
対応マウント | ソニーEマウント用 |
希望小売価格 | 100,000円 (税抜) |
レビュー
タムロンのフルサイズEマウント用ズームレンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD」
サードパーティー製でこのスペックのフルサイズEマウント専用ズームレンズは初。
発売前から供給不足のアナウンスがされたほどの人気商品です。
それもそのはずで、この値段でこのスペックの標準ズームレンズが手に入るとあれば、ついつい手が出てしまうのも当たり前ですね。
純正の近いスペックのレンズよりはだいぶ手に入れやすいこのレンズ。
誰もが必要とする機能は取り入れ、意見が分かれるような機能は排除し、徹底的に必要十分でシンプルなつくりになっています。
デザイン
外観はとてもシンプルです。
スイッチの類は一切無く、凹凸が全くありません。
本体とフォーカスリングの材質はプラスチックで、ズームリングはラバー製です。
望遠端にするとこれくらいになります。
角が一切ないので、どこを持っても手になじみやすい。
タムロンの「ヒューマンタッチ」というコンセプトでデザインされたようです。
とにかく余計なものがない。
そのうえ艶消しのマット。
非常にシンプルで飽きの来ないデザインになっています。
そして重量は550g。
F2.8通しのフルサイズ対応標準ズームレンズとしてはとても軽いです。
フードは小さめの花形フード。
フィルター径は67mm。
全体として、軽量コンパクトで扱いやすいデザイン。
そしてとにかくシンプル。
文句なしです。
描写
最近の高性能レンズにあるような、とてもカリカリした写りではありません。
どちらかというとソフトな印象です。


開放では良く言えば「柔らか」。
しかし開放からシャープな写りを期待する方からすると「甘い」となるかもしれません。
絞ればすっきりした写りになります。
ボケに関しても、同じような印象です。
普通にボケますが、過度な期待をすると「うーん」となるかもしれません。
しかし全体的にネガティブな印象はなく、むしろ「結構いいね」という感想です。
コストパフォーマンスを考えると素晴らしいって思えるくらいです。
優しい描写なので、暖色系が向いているかなと個人的には思っています。
逆光対策には、タムロン独自のBBARコーティングが施されており、それほど悩まされる事はないです。
さらに、最短撮影距離が短いのも特徴です。
広角側で0.19m、望遠側で0.39m。
寄れます。
比較的安いレンズであるだけに、描写力はどうなのかと思っていましたが、充分に合格点です。
価格から考えると素晴らしいの一言です。

機能
AFは静粛に、早く、正確です。
ステッピングモーターユニット「Rapid eXtra-silent stepping Drive」を搭載とのこと。
レンズの名前にあるRXDとはこのユニットの事ですね。
AF性能は文句無しです。
しかも、カメラ側の機能である「DMF」「瞳AF」「レンズ補正」もきちんと対応しています。
このあたりの機能は純正と変わりなく使い切る事が出来るのでうれしいですね。
ただ、MFスイッチの類は無いので、MFに切り替えたい場合は、カメラ側で設定を変更するしかないです。
手振れ補正の機能は搭載されていません。
最近のSONYのミラーレス機は、ボディ側に手振れ補正機能が搭載されているので見送ったのでしょう。
ボディ側の手振れ補正だけで何も問題ないです。
簡易的な防滴機構も採用されています。
特にわかりやすい部分として、マウント部にシーリングが施されています。
こういう抜かりのなさ、非常に好感が持てますね。
万人に必要な機能は搭載されていて、意見が分かれるような機能は無し。
外観同様、必要充分に絞られた機能のみが搭載されているシンプルなものになっています。

結論
「ありがとうタムロン」というのが素直な感想です。
発売前から人気になった通り、みんなこういうレンズを待っていたんですね。
扱いやすい軽量コンパクトな本体、求めるスペック、合格点を超える写り、機能は必要とする物のみ、そしてできるだけ安価。
まさにコストパフォーマンスの結晶のようなレンズです。
しかも使う場所も選ばず、とにかくオールマイティで被写体も選びません。
タムロンはユーザーの気持ちをわかってくれますね。
持っておいて損のない一本です。
以下はこのレンズで撮った写真。
ボディはα7II、RAWデータをLightRoomでプロファイルをカメラ標準、露光量の調整を少々、レンズ補正をしたのみ。







