レンズレビュー SONY SEL55F18Z
項目 | 5点評価 | 短評 |
デザイン | 4 | シンプル |
サイズ | 4 | ほんのちょっとだけ長い印象、重くはない |
描写 | 5 | このレンズの最も良いところ |
ボケ | 4 | 落ち着いたボケ |
AF | 3 | 普通です |
手振れ補正 | 0 | ありません |
コスパ | 4 | 描写の面で大きく貢献している |
おススメの人
万人向けのレンズだが、特に描写にこだわる人にはおススメ
おススメじゃない人
55mmには興味がない、という人のみ
仕様
名称 | Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA | |
---|---|---|
型名 | SEL55F18Z | |
レンズマウント | ソニー Eマウント | |
対応撮像画面サイズ | ●35mmフルサイズ | |
焦点距離(mm) | 55 | |
焦点距離イメージ(mm) *1 | 82.5 | |
レンズ構成 (群-枚) | 5-7 | |
画角 (APS-C) *1 | 29 | |
画角 (35mm判) | 43 | |
開放絞り (F値) | 1.8 | |
最小絞り (F値) | 22 | |
絞り羽根 (枚) | 9 | |
円形絞り | ○ | |
最短撮影距離 (m) | 0.5 | |
最大撮影倍率 (倍) | 0.14 | |
フィルター径 (mm) | 49 | |
ADI調光対応 | – | |
手ブレ補正 | – | |
手ブレ補正段数 | – | |
テレコンバーター (1.4x) | – | |
テレコンバーター (2.0x) | – | |
フードタイプ | 花形バヨネット式 | |
外形寸法 最大径x長さ (mm) | 64.4 x 70.5 | |
質量 約 (g) | 281 |
レビュー
SONYのフルサイズ用Eマウントレンズ「SEL55F18Z」
カールツァイスのロゴが入っている通り、カールツァイスとソニーで共同開発されたレンズです。
焦点距離は55mm、絞りは解放で1.8と標準域でとても扱いやすそうなレンズに思えます。
第一印象としては、本体はちょっと細長く、お値段は安くもなく高くもなく……なんか普通、のような感じを受けますが、
このレンズ、使ってみると実はかなりの優等生レンズなんですね。
外観
鏡筒はアルミニウム製でしっかりした造り。スイッチ類は一つもないのでとてもシンプルですっきりしたデザインになってます。
スイッチ類がたくさんあるほうがかっこいい、という人には物足りないかもしれませんが、シンプルなデザインが好きな人には好印象じゃないでしょうか。
単焦点レンズなのでリングはフォーカス用のみ。
このリングも金属製。
ゴム製ではないから劣化の心配はないのがいいですね。
回す感触もとてもスムーズで微調整もしやすいので、マニュアルフォーカスも心配ないです。
全長は70.5mmで標準レンズにしてはちょっと細長いかなという印象ですが、これはレンズ構成によるものだと思います。あと55mmという焦点距離も少しだけ関係しているかもしれません。
重量は281gでこのクラスでは普通でしょう。
フードは花形フード。プラスチック製。結構深めです。
装着するとさらに細長くなる印象があるので、街中では装着にためらう人もいるかもしれませんが、恥ずかしがらずに絶対に着けましょう。
フィルター径は49mm。お好きなフィルターをどうぞ。
フルサイズ機のα7IIに装着するととてもいいバランスです。
質感もマッチしていて、手に持った感触も文句ないです。
思わず写真を撮りたくなる衝動に駆られます。
APS-C機のα6500に装着すると、人によっては「ちょっと長い」という印象かもしれません。
防塵防滴に関しては、実際に確認したことありません。
公式サイトには「防塵防滴に配慮した設計」となっていますが、防塵防滴と言い切らずに配慮としている辺りが、なんとも言えませんね。
細長さはおそらくレンズ構成のためで、それはつまり写りのためのはずです。
きっと妥協できないところなんですね。
そして細長いといっても重量は問題ないので、苦になることはありません。
実際に使ってみれば何でもないレベルなので、問題は無いです。
というわけで、作りに関しては文句なしです。
描写
発売からある程度たっていますので、すでに方々で言われてますが、描写に関しては本当に良いですね。
とてもシャープで超優等生といった感じ。
何を撮っても奇麗に写ります。
開放から使っていける描写性能ですが、F4からF8くらいまでは本当に隙が無いです。
コントラストはちょっと高めに感じます。

開放でも高めなので、コントラストを気にせず充分に使えます。
歪曲もほぼ感じないレベル。
カメラの補正機能をONにしておけば気にしなくてOKです。
周辺光量落ちは開放ではさすがにありますが、絞ると改善されます。
これもカメラの補正機能である程度防げます。
個人的にはF5.6からF8の間くらいで硬い物を撮ると「……いいねこれ」と感じることが多いです。

ボケに関してもとてもGood。
乱れず、不自然さは一つもありません。
なんというか、ボケても元の形がわかるんですね。
キレのあるボケというとちょっと変ですが、騒がしさの全くない上品で優等生なボケ。
「分かってるね」て感じです。
とにかく大きくボケればいい、という人には不向きかもしれませんが、すっきりしたボケを望む人にはとても良いと思います。
逆光に対してはツァイスのT*コーティングのおかげで極力抑えられています。

太陽をフレーム内に入れるともちろんゴーストが出ますが、これは仕方ないですね。
それでも少なめに抑えられていると思います。
フレアに関してはかなり少なめ。自分が使った限りではほぼ出ることはありません。
解像度とボケのバランスがとても素晴らしいレンズです。
「しっかりした写真」と撮るには最高のレンズですね。
逆に淡い感じの写真は、ちょっと苦手かもしれませんね。
もちろん人によると思いますが、個人的には硬い物を撮るのに向いているんじゃないかなと感じます。
機能
AFは静かで高速です。不満は何も無いです。
恐らく多くの人に対して問題ないでしょう。
手振れ補正機能はありません。
ボディにある場合は問題ないでしょうが、無い場合は手振れに気を付けましょう。
まあ、手振れは常に気をつけるべきですが。
そしてよく欠点として挙げられるのが、とにかく寄れないということですね。
最短撮影距離は0.5mということで、確かに「寄れるレンズ」ではありませんが、他メーカーのレンズと比べてもそこまで大差あるようには思えないので、どうしても寄って撮りたいという被写体以外には問題ないように思えます。
個人的には困ることはほとんど無いです。
困るとすれば、物撮りか小さな物を撮るときくらいですかね。
単三電池くらいになるとちょっと困るでしょう。
というわけで物撮り用途にはあまり勧められません。
あと、唯一扱いにくい点としては、フルサイズで55mmとなる焦点距離ですかね。
50mmではなく55mm。
大した違いには思えないかもしれませんが、10%だけ望遠になるわけですから、50mmで慣れている人にはちょっとだけ違和感あるかもしれないです。
最初だけでしょうけどね。
結論
このレンズはとにかく素晴らしいです。
扱いやすく高性能。
何を撮ってもよく写るし、クセも無く失敗が少ない。
とても優等生なレンズです。
使っている人を見かけると思わず「わかってるね」と言いたくなります。
フルサイズ対応レンズですが、APS-C機で使ってももちろんOK。
焦点距離は35mm換算で82.5mm。
中望遠になりますね。
このレンズをしばらく使わないでいると、定期的に使いたくなる衝動が出てくるんですね。
それだけ中心的存在になるレンズです。
SONY Eマウントのスタンダードになるレンズだと思うので、是非持っておくべき一本です。
以下、このレンズで撮った写真
ボディはSONY α7II
RAWデータをLightRoomにて露出補正、シャープネス60、プロファイルをカメラ標準に変更のみ。







